『国歌を作った男』 宮内悠介 24-298-3324
「国家を作った男」で出てきた「ジョンはただのナードだよ」という言葉が、この本に登場する人たちのキーワードだったような気がします。ナード(nerd)つまりオタクって、あんまりいい意味で使われることがないけれど、ホントはそんなことないのになぁ。何かに没頭している人、興味があることに関してはとても詳しいけれど、人づきあいがうまくできない人。それのどこがいけないのだろう?
ジャンク屋を継ごうと考えた人も、人の家で勝手に料理を作ってしまう人も、ハードルを越える人も、ゲームを作る人も、そこまで極められるってことは凄いことでしょ。
人を助けるのに、医学よりも素晴らしい方法があるかもしれないと考えるのも、お祖父ちゃんと話をしたいから囲碁に取り組むのも、情熱だよね。その情熱が世間の人よりもずっと熱い人がいるからこそ、新しい何かが生まれる。
この本に登場するどの人も、そういう人たちなんだって、わたしは感じるのです。
この12編が収められています。
・ジャンク
・料理魔事件
・パニック
・国歌を作った男
・死と割り算
・国境の子
・南極に咲く花へ
・夢・を・殺す
・三つの月
・囲いを越えろ
・最後の役
・十九路の地図
3324冊目(今年298冊目)
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