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『ほんとうの定年後』 坂本貴志 24-332-3358

Hontounoteinengo

ほんとうの定年後

坂本貴志(さかもと たかし)

講談社現代新書 2671

現代における「ほんとうの定年後」は、誰もがその時々の状態にあった「小さな仕事」に従事しながら、無理のない仕事と豊かな消費生活を両立している姿にあると考える。(あとがき より)

 こう結論づけられた老後を過ごせるのは、日本全体の中の何割程度なのだろうか? この本を読み終わって感じたのは、この一点に尽きます。

 正社員だからこそ定年という節目が生まれるのです。めでたく定年を迎えられ、年金を受給でき、持ち家があり、子どもの教育費がかからない。という条件が揃っていれば、この本で語られているような生活は可能でしょう。

 「小さな仕事」というのは、たとえばデイサービスの送迎車の運転とか、スーパーの仕事など、IT化や機械化できない仕事がほとんどです。そういう仕事を、週に3回とか、1日5時間とか、無理しない程度で働いて、月に10万円くらい稼げればいいよねという想定です。

 もう一つ大事なのが、社会との関りという部分です。これまで会社一辺倒で、それ以外の人間関係がなかった人にとって、小さな仕事を通してこれまで触れることがなかった地域社会での交友関係を作るという部分も大事なのでしょうね。

 

 令和5年簡易生命表によると、平均余命は、男性65歳は19.52年、女性65歳は24.38年、男性75歳は12.13年、女性75歳は15.74年ですから、定年後に約20年生きるという計算になります。ですから、その期間を元気に、経済的不安もなく過ごすためには、戦略を練らないといけません。ボーとしていたらチコちゃんに叱られるだけじゃなく、あっという間にボケちゃいます。

 とはいえ、この本に書かれているような定年後を過ごせる人は、恵まれた人たちです。そういう人たちが、これからは減る一方なのじゃないかと、とても不安に感じます。

3358冊目(今年332冊目)

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