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『あなたが独りで倒れて困ること30』 太田垣章子 24-333-3359

Anatagahitoride

あなたが独りで倒れて困ること30

太田垣章子(おおたがき あきこ)

ポプラ社

結婚していると、「相手がしてくれる」と安心してしまいますが、たとえ夫婦であったとしても、片方が認知症になってしまったら、その瞬間から「おひとりさま」です。

 夫婦でも、親子でも、兄弟でも、2人でいれば安心な気がしていますけど、1人が認知症になったり、入院してしまうと、あっというまに「おひとりさま」なのです。これについて、ほとんどの人が考えていないのは、考えるのが怖いからなのでしょうか。そして、ひとりになるのは若い方とは限らないのです。

 人によっては、公共料金などの支払いが、どの預金口座から落ちているのかも分からなかったり、ゴミをどう出していいのかわからなかったり、話し相手もいなくて、食事もひとり、ノイローゼや鬱などになってしまうことだってあります。

 

高齢になると「若い頃に普通にできていたことが、できなくなる」

 スーパーのレジのところで、お財布が小銭でパンパンになっている人を見ると、「認知症、来てるなぁ」って思います。歳を取ると目も見えなくなってくるし、指先の感覚が鈍くなって、1円と100円を間違えたりするんです。若い頃には想像もできないことですけどね。

 

70歳を超えるとお金を持っていても、部屋を貸してもらいにくくなります。

 家族の人数が多かった時の家では広すぎるので、小さな賃貸マンションにでも引越そうと思っても、老人には貸してくれません。いくらお金を持っていても、老人の孤独死が怖いので、大家は貸し渋るのです。

 

自分が室内で倒れた時のことを想定して対策を今から立てよう。

 ご近所でひとり暮らしをしていたおじいさんから聞いた話です。何かあったらすぐに連絡できるようにと、いつでも携帯電話を首からぶら下げていました。ある時、部屋の中で転んでしまいました。うつ伏せ状態になってしまい、電話が身体の下に入ってしまったそうです。身体が痛くて、横向きになるのに1時間も格闘し、やっと電話がかけられるようになって救急車を呼んだのだそうです。

 外で倒れていたら、誰かが見つけてくれるけど、家の中は怖いよっておっしゃってました。

 こちらは、ご近所のおばあさんから聞いたお話です。台所で、流しの下の棚に置いてあるお醤油を取ろうとしゃがんだ時に、バランスを崩して倒れてしまいました。その時に身体を支えようとして手を出して、手首を骨折してしまったのです。病院で、老人女性が骨折をするのは、台所が一番多いと言われたそうです。

 老夫婦の場合、女性が怪我などで動けなくなると、炊事・洗濯・掃除をする人がいなくなり、生活が破綻してしまうことが多いという話も聞いたそうです。

 

 若くて元気な時には、考えもしなかった「困ること」の数々。いつかは必ず自分の身にも起きることなのに、そうなるまで「知らなかった」ことがたくさんあります。この本に書かれているようなことを一度考えておくのはとても大切なことです。

 自分にとっては未知のことでも、友だちに話してみると、意外と経験者がいるものです。だから、ひとりで悩まずに。

 誰だって、歳を取ります。誰だって、いつかは死にます。その時どうして欲しいのか?を、元気なうちに考えておくのは、とても大事なことなんです。

3359冊目(今年333冊目)

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