『台湾の少年 1 統治時代生まれ』 游珮芸、周見信 24-316-3342
台湾の少年 1
Son of Formosa
統治時代生まれ
游珮芸(ゆう はいうん Pei Yunyu)
周見信(しゅう けんしん zhou_jianxin)
倉本知明(くらもと ともあき) 訳
岩波書店
台湾
一九三〇年、日本統治時代の台湾に生まれた蔡焜霖(チウァ・クゥンリム)は、教育者になることを夢見て育った。戦争の色濃い時代は日本の敗戦で終わったが、戦後は国民党政権による新たな支配が始まった。
台湾は、かつてポルトガルとオランダの植民地でした。その後、清国の領土となり、多くの漢族が移り住んできました。そして日清戦争に勝った日本が統治するようになり、第二次世界大戦後、再び中国に戻されたのです。
この物語の主人公、焜霖は日本統治時代に生まれたので、学校教育はすべて日本語でした。戦争が激しくなってきた時代、学生だったのに彼は徴用され、戦地へ向かいます。そして戦争が終わり、日本は撤退し、公用語が北京語になったときには、かなり困っています。
一番下の弟の服を買いに行くところなど、彼の家はそこそこ豊かな生活をしていたようですね。勉強ができる焜霖は、大学へ行くことを目指していたのだけれど、戦後のシーンではなぜか投獄されてしまい、その理由すらもわからない彼は、これからどうなっていくのでしょうか?
この作品が特徴的なのは、台湾語・日本語・北京語が混在していることです。それぞれが、異なるフォント・文字で表記されており、台湾の複雑な立場がこんなところにもにじみ出ているような気がします。
わたしには、台湾で暮らしていたことがある友人が2人います。ひとりは、戦前に父親が台湾の役所に赴任し、家族で移住したのだそうです。父親が役人ですから、かなり大きな家で、使用人もいるような暮らしをしていたそうです。戦争が終わってすぐに日本に帰ってきたので、道中はかなり怖かったけれど、無事帰れてよかったという話をしてくれました。
もう一人は、現在日本で働いている女性で、大学で日本語を勉強したそうです。彼女の母親と一度お話をしたことがあるのですが、日本統治下の教育を受けていた人で、娘よりも流暢な日本語を話していて、ビックリしました。
お隣の国なのに、知らないことだらけの台湾のことを、こうやって知っていくのは楽しいし、大事なことだと思います。
3342冊目(今年316冊目)
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