『台湾の少年 4 民主化の時代へ』 游珮芸、周見信 24-339-3365
台湾の少年 4
Son of Formosa
民主化の時代へ
游珮芸(ゆう はいうん Pei Yunyu)
周見信(しゅう けんしん zhou_jianxin)
倉本知明(くらもと ともあき) 訳
岩波書店
台湾
蔡焜霖(チウァ・クゥンリム)と同じように、無実の罪で逮捕され緑島へ送られ、長期間投獄された人もいれば、なぜか途中から刑が重くなり、死刑になってしまった人も大勢いました。無事に刑期を終えることができても、前科者扱いをされたたために思ったような仕事に就けなかったり、しょっちゅう警官から尋問を受けたりということも度々ありました。
そういう圧力を「白色テロ」と呼びます。戦後台湾で国民党政権が行った左派分子に対する弾圧行為で、言論の自由が制限され、数万人が政治犯として投獄され、数千人が処刑されました。
20世紀の終盤になって、やっと白色テロの犯罪性が認められ、該当者の名誉回復が行われましたが、その時すでに亡くなっていた人も多く、生き残った人たちは老人になっていました。
刑務所として使われた緑島に、国家人権博物館「白色テロ緑嶋記念園区」が作られました。
台湾はずっと他の国に支配され続けてきました。17世紀にはポルトガルとオランダの植民地でした。その後、清国の領土となり、多くの漢族が移り住んできました。その後、日清戦争に勝った日本が統治するようになり、第二次世界大戦後は蒋介石の独裁国家となり、その後中国の一部となったのです。
李登輝総統以降、民主国家として歩み出した台湾ですが、中国本土からの圧力は強く、現在はとても微妙な関係になっています。台湾は、明らかに中国とは別の思想で成り立っている国です。でも中国は台湾は中国の一部だとして、忠誠を求めてきます。
これからの台湾がどうなっていくのか? とても難しい問題ですが、とにかく台湾の人たちが平和に暮らせることを祈ります。
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