『夜の金糸雀 おくり絵師』 森明日香 24-353-3379
おふゆは絵師として少しずつ認められてきました。まわりから、絵が上手いとか下手だとか言われるのはしょうがないのですが、何かというと「女だから」とか「女のくせに」と言われてしまうのが辛いのです。兄弟子の国銀からは「お前の顔を見ると腹がたつ」なんて言われて、それって八つ当たりだろう!って言い返したいけど、そうもいかないしね。
同じ兄弟子でも岩五郎さんは、自分のことを認めてくれているし、師匠も女将さんも自分のことを何かと気にかけてくれているからこの仕事を続けていられるけれど、一生この仕事を続けられるのだろうかと、思い悩むことが増えたおふゆです。
応為栄女の絵に出合ったのは運命だったのでしょうか。彼女のような絵を描きたい。彼女のようになりたい。その思いの強さが逆におふゆを追い詰めてしまっていたのかもしれません。
一方、「卯の屋」の寅蔵さんがおふゆを好いていてくれるのに、そろそろ気がついてもいいんじゃないの、おふゆさん。
第一話 初時雨
兄弟子の国銀は、父親から「絵師なんかやめて同業者の薬屋の婿へ行け」と言われ、とても怒っていました。
第二話 夜の金糸雀
佐野屋で見せてもらった応為栄女の絵に心惹かれ、おふゆは彼女の弟子になりたいと思ったのです。
第三話 大地燃ゆ
安政の大地震で、江戸の町は火に包まれました。
この本の中では明かされませんでしたけど、応為(おうい)は北斎の娘で、彼女自身も近年評価が高くなってきた絵師です。彼女の肉筆画を見て心惹かれた気持ちはとてもよくわかります。
#夜の金糸雀おくり絵師 #NetGalleyJP
3379冊目(今年353冊目)
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