『11ミリのふたつ星』 砥上裕將 24-358-3384
「たった11ミリ。小指で押した先ほどの的を通して、人は世界を見ている」
視能訓練士の野宮くんが北見眼科医院で働くようになって1年経ちました。不器用な彼ですが、北見先生や先輩たちのおかげで少しずつ仕事に慣れてきました。
休みの日に喫茶店ブルーバードでのイベントを手伝いに行った野宮くん、そこで灯(あかり)という4歳の少女と出会います。彼女の眼がどうしても気になってしょうがないので、後日眼科医院で検査してもらうと、問題が見つかったのです。
目の病気って、おかしいなと思っていても、さほど深刻に考えていなかったり、忙しいという理由で後回しにしていたり、どうしようもない状態になってから病院へ行く人がかなりいるのです。第3話に登場した漫画家の雲母さんもそういう人でした。
目が原因の病気で頭が痛くなったり、体調が悪くなったりすることもあれば、糖尿病のせいで視力に問題が出ることもあります。ちょっとした打撲で網膜剥離を起こすこともあります。どれも、早めに発見できれば回復する可能性があるのですが、放っておくと見えないせいで事故を起こしたり、失明したりすることがあるというのは、知っておくべきことだと思います。
第1話 さまよう星
第2話 珊瑚を泳ぐ
第3話 向日葵の糖度
第4話 チェリーレッドスポット
第5話 11ミリのふたつ星
マッチョな看護師、剛田さんの秘密や、喫茶店ブルーバードで働く2人の話など、身近にこういう人がいるはずなのだけど、気がつかないことが多いのだなと感じました。
本人はちゃんと責任を持って仕事をしていて、一緒に働いている人たちからは認められているけれど、家族からはいつまでたってもグズな子だと思われてる野宮くん。いつまでも子どもではないのにね。大人として認めてくれないから、実家に行くのが面倒くさくなっちゃう。
野宮くんは確実に成長しています。そんな姿を家族に見せられてよかったね。
#11ミリのふたつ星視能訓練士野宮恭一 #NetGalleyJP
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