『私の身体を生きる』 24-369-3395
私の身体を生きる
西加奈子、村田沙耶香、金原ひとみ、島本理生、藤野可織、鈴木涼美、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子
文藝春秋
「文學界」連載を単行本化
女の身体について、女自身が語るこの連続エッセイ、今までこんな本読んだことないなぁ。生理、出産、レイプ、痴漢、PTSD、「女だから」という足枷、男との関係、17人がそれぞれの、女だからこその体験を語ってる。
たとえば痴漢や盗撮は、日本中のどこでも起きている。電車のなかでも、学校でも、ショッピングセンターでも、街角でも。毎日どこかで起きている。でも、その被害を誰かに話せることは滅多にない。友人と話せたら運がいい方で、たいていは誰にも言えずに、イヤな記憶だけがずっと残る。学校でいじめに遭っていた子が、家でそれを両親に話せないのと同じ構造。
能町みね子さんは、女性になりたかったのではなく、男性ではなくなりたかったのだという話に驚き、李琴峰さんとSMの女王様との会話に笑い、児玉雨子さんの睡眠障害の話に驚愕し、こういう話を淡々としてくれる彼女たちに感謝する。
みんな、それぞれの身体の問題を抱えて生きているんだ。同じような人はいても、まったく同じな人はいない。誰に相談していいのかわからず、転げまわる毎日。でも、わかってしまえば「ああ、そういうことだったんだ」になってしまう。
とても、とても面白い本だった。
3395冊目(今年369冊目)
« 『みえるとかみえないとか』 ヨシタケシンスケ 24-368-3394 | トップページ | 『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』 橘玲 24-370-3396 »
「心・脳・身体」カテゴリの記事
- 『幻肢痛日記』 青木彬 25-31-3427(2025.02.04)
- 『思考の穴』 アン・ウーキョン 25-34-3430(2025.02.07)
- 『私の身体を生きる』 24-369-3395(2024.12.29)
- 『崑ちゃん・鎌田式老化のスピードを緩める最強の習慣!』 鎌田實×大村崑 25-4-3400(2025.01.05)
- 『すごい音楽脳』 宮崎敦子 24-342-3368(2024.12.02)
「日本の作家 アンソロジー」カテゴリの記事
- 『不思議の扉 時をかける恋』 大森望 編 25-18-3414(2025.01.21)
- 『私の身体を生きる』 24-369-3395(2024.12.29)
- 『本を贈る』 笠井瑠美子 他 24-11(2024.01.12)
- 『私たちの金曜日』 有川ひろ、恩田陸、桐野夏生、田辺聖子、津村記久子 104(2023.04.14)
- 『いやし』 <医療>時代小説傑作選 84(2023.03.26)
« 『みえるとかみえないとか』 ヨシタケシンスケ 24-368-3394 | トップページ | 『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』 橘玲 24-370-3396 »
コメント