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『日比野豆腐店』 小野寺史宜 25-27-3423

Hibinotofu

日比野豆腐店

小野寺史宜(おのでら ふみのり)

徳間書店

 堀切菖蒲園のそばにある「日比野豆腐店」は、家族経営の小さなお豆腐屋さんです。数年前に店主の清道さんがコロナで亡くなってしまった時には、この店ももう終わりかと思ったけど、お勤めをしていた母、咲子さんが会社を辞めて、祖母の初さんと一緒にお豆腐屋さんを続けることになったんです。

 スーパーのより確かに高いけど、豆の味がちゃんとしておいしいと言って買いに来てくれる人がいるから、今も続いています。でも、この店をいつまで続けられるのかと思うと、不安がないわけじゃありません。

 孫の令哉は高校生。時々店番くらいは手伝うけど、将来のことは余り考えていません。一応進学校なので、友だちは大学受験の話をするけれど、令哉はこれといって勉強したいことがあるわけでなし、どうしようかなぁって言っているだけ。部活もサボりがちで、帰宅部モードの日が多くて、猫の福と家にいることが多いんです。

・日比野初
・断章 日比野福
・日比野咲子
・断章 日比野福
・神田七太
・断章 日比野福
・日比野令哉
・断章 日比野福

 日比野家の3人はけっこう仲がいいです。それをながめている福の視点が面白いです。そして、福にだけ見えている清道さんは、やっぱり家族のことが心配で見守っているのかしら?

 令哉くんが通っている都立高校って、たぶんE高ですよね。通学は自転車で20分。まぁまぁな距離ですよね。彼は自分の家の豆腐はおいしいってことには気づいているから、これからそっちへ向かっていくのかなぁ。

 これからの時代に、日比野豆腐店のような個人商店が生き残っていくのは、とっても大変なことだけど、令哉くんはそれをどう考えているのかしら?

 うちの辺りには、週に1回、車で売りに来るお豆腐屋さんがいて、そこのお豆腐はほんとうにおいしいんです。この本を読みながら、その味を思い出していました。スーパーのお豆腐もそれなりにおいしいくて安いけど、お豆腐屋さんのお豆腐はやっぱりおいしい。食べ物も人との関係も、そういう違いがあるのだとわかる人が増えて欲しいなぁ。

3423冊目(今年27冊目)

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