『みどりのゆび』 モーリス・ドリュオン 25-3-3399
「あなたのお子さんは、ほかのお子さんとおなじではありませんので、わたくしどもではおあずかりいたしかねます。」
チトは学校の先生から見放されてしまいましたが、チトのお父さんは家で勉強すればいいと言ってくれました。
庭の勉強をするために、チトは庭師のムスターシュおじさんのところへ行きました。そして、自分のゆびが「みどりのゆび」であることに気がついたのです。チトのゆびが触ったところは、そこがどんなところであろうと植物が芽吹き、花が咲くのです。チトはムスターシュおじさんが自分を分かってくれる人だと感じました。
もう一人の先生「かみなりせんせい」は規律を守ることがすべてだと思っています。そして、その考えをチトに押し付けてきます。でも、その考え方はチトには理解できません。この先生は嫌いだと感じました。
おとうさんは優しい人で、チトのことを愛してくれています。そして、将来はお父さんの仕事を継いで欲しいと思っています。お父さんは戦争はいけないことだと解っているのに、武器を売ることでお金持ちになったのです。その矛盾にチトは気づいてしまいました。
おとうさんや、かみなりせんせいのように、大人は何が正しいのか知っているのに、実際には正反対のことを平気でするのです。戦争は悪いことだと分かっているのに、貧しい人を放っておいてはいけないと分かっているのに、何もしないどころか、武器を売って儲けようとか、貧しい人は汚いと言ったりするのです。
チトは、じぶんの「みどりのゆび」でそんな世界を変えようとします。
大人たちに、その気持ちは伝わったのでしょうか?
3399冊目(今年3冊目)
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