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『世界は経営でできている』 岩尾俊兵 25-6-3402

Sekaihakeieide

世界は経営でできている

岩尾俊兵(いわお しゅんぺい)

講談社現代新書2734

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1 本当は誰もが人生を経営しているのにそれに気付く人は少ない。
2 誤った経営概念によって人生に不条理と不合理がもたらされ続けている。
3 誰もが本来の経営概念に立ち返らないと個人も社会も豊かになれない。(はじめに より)

 

「人は無能になるまで出世する」という数理的に証明できる法則がある P106

 オオ~、懐かしいピーターの法則(能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する)ですね。

 ヒラ社員として有能だとしても、中間管理職として有能とは限らず、中間管理職としても有能だとしても部長になったら無能かもしれないのです。無能となった上司が意味のない指示をし、それを遂行する部下は意味のない作業をし続ける。そうではないだろうと反論しても前例がないと却下され、粛々と無駄な作業が続けられ、それがルールとなってしまう。

 そういうことが、世の中の至るところで発生するのです。本来は自分の人生は自分で経営(発案から実行まで)すべきなのに、自分がそれまで属していた社会での常識の範囲でしか考えられなくなり、結局は不満だらけの、豊かさとは縁遠い人生になってしまうのです。

 

お金は使ってはじめて、製品やサービスと交換して初めて意味がある。何にもお金を使わずに、節約生活を続けて、ある日ぽっくりそれこそ一番の無駄遣いである。P151

 人間はひとりでは生きていけません。大した話をしたいわけじゃないけど、誰かとバカ話できる幸せ。町を歩いていてこんにちはと声をかけてくれる人がいる幸せ。それが大事です。だから、人を信じられないということが、一番の不幸です。

 誰かから何かを奪って、自分だけが幸せになろうとすることも、誰かのために自分が犠牲になればいいのだと考えることも、本来はあってはならないことです。

 みんなで幸せになろうと考えるのが、人間として究極の目的であるはずです。経営とは価値創造なのだから、これまでよりも豊かな方向へ向かうために自分の人生を使うべきなのに、それをなくしてしまったのは何故なのでしょう。

 でも、それが誰のせいであれ、原因を他人のせいにしている時間がもったいない。それよりも、自分の人生の経営を自分の手に取り戻すために、自分自身に問いかけてみるべきです。「わたしは何をしたいの?」と。

#世界は経営でできている #NetGalleyJP

3402冊目(今年6冊目)

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