『不思議の扉 時をかける恋』 大森望 編 25-18-3414
不思議の扉 時をかける恋
梶尾真治(かじお しんじ)
恩田陸(おんだ りく)
乙一(おついち)
貴子潤一郎(たかね じゅんいちろう)
太宰治(だざい おさむ)
ジャック・フィニイ Jack Finney
大森望(おおもり のぞみ)編
角川文庫
この本を読んでいて気がついたのは、タイムトラベルは、最初は未知との出会いだけれど、その次に起きるのは再会なのだということでした。同じ時空で生きていても、出会える人はごく限られた人数です。そして、学校を卒業したり、会社を辞めたりすれば、それっきりという縁の人の方がほとんどです。
この短編集の登場人物たちのように、時空を超えて出会う人に強く惹かれるのは、運命を感じるからなのでしょうか。
・美亜へ送る真珠 梶尾真治
時間の流れる速さを 85,000分の1にしたタイムマシンに乗る彼
・エアハート嬢の到着 恩田陸
from E. to E. with love 「エリザベスからエドワードへ。エドワードからエリザベスへ」
・Calling You 乙一
この学校で携帯電話を持っていないのは、きっとわたしだけ
・眠り姫 貴子潤一郎
成績優秀で美しい彼女の唯一の欠点は、授業中の”居眠り”
・浦島さん 太宰治
冒険嫌いの浦島さんを必死に説得し、彼を背中に乗せて亀は竜宮城へ
・机の中のラブレター ジャック・フィニイ
古い机の引き出しから出てきたのは、遠い昔のラブレター
ジャック・フィニイの作品が読みたくて手に取ったこの本ですが、どの作品も面白かったです。雰囲気が好きなのは「机の中のラブレター」と「エアハート嬢の到着」と「Calling You」ですけど、太宰の「浦島さん」は不思議な面白さがありました。こういう短編集を読むと、思いがけない発見があるものですね。
3414冊目(今年18冊目)
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