『二十四五』 乗代雄介 25-12-3408
主人公は、家族との関係が重くて、そんな彼女の気持ちをわからない両親、特に母親を避けたいので、なるべく連絡も取らないようにしています。でも、弟の結婚式には出なければならないので、仙台に向かっています。
弟の結婚相手は幼馴染なので、彼女の家族との食事会はさほど大変ではなかったけれど、でも主人公の頭の中には、5年前に亡くなった叔母のことで一杯なのです。叔母と旅したこと、また一緒に行こうねといっていたのに行けなかった場所のこと。弟の結婚は確かにめでたいけど、ここに叔母がいてくれたら、どうだったんだろうなんて考えてしまう、わたし。
この主人公は「十七八より」の彼女かしら? 叔母のおかげで今の自分があるのだと思っているのに、家族すら叔母のことを話題にしてこないことにいら立っています。今は作家としてそれなりに有名になって、「作家であるわたし」ばかりが評価されていて、そんな自分を演じているのは疲れるのかな?
面と向かってケンカするわけでもないんだけど、本当の心の内を言い合えない家族って、やっぱりツラいよね。
#二十四五 #NetGalleyJP
<p><strong style="color: #0000ff;">3408冊目(今年12冊目)</strong></p>
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