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『真・プロレスラーは観客に何を見せているのか』 TAJIRI 25-44-3440

Tajiri

真・プロレスラーは観客に何を見せているのか

30年やってわかったこと

TAJIRI(タジリ)

徳間文庫

例えば、受け身をとっている最中に、「楽しそうにやってみて」「悲しそうにやってみて」と注文を出してみることがある。そうすれば、「基礎体力」と「表現の仕方」を同時に稽古できてしまうからだ。P118

 プロレスラーだからトレーニングをするのは当り前だけど、ただ漫然とやってちゃダメだ。受け身ひとつでも、自分の感情を見せられる、それがプロだ!ということを教えてくれる TAJIRI は、実に素晴らしいトレーナーだと思う。

 

前回り受け身をさせて、着地した足をその位置からみじんも動かさないまま振り向かせ、自分に合った最高にカッコいいポーズを決めることを徹底的に行う。多い日には200回以上。
この稽古は、自分に合った足幅スタンスで立たない限り、絶対にきれいには決まらないばかりか、バランスを取り直すために、バタバタと二の足を踏まねばならなくなるようにできている。~中略~

つまり、技や動きは、決めた後のポーズを持って完結するのだ。そのために、早いうちから自分の体形や嗜好に沿った、最高にカッコいいポーズのフォルムを練り上げていくのである、道場で、毎日。P129

 これぞプロのこだわり。受け身から立ち上がるときに余計な動きをしていたら、形勢は不利になるし、なによりカッコ悪い。こういう考え方って、本当はすべてのスポーツで持つべきだし、スポーツ以外の立ち振る舞いでも同じだなと思うのです。

 誰かの話を聞いている時に、話し手がサイズの合っていない服を着ていたリ、手が変な動きをしていたりすると、そっちばかりが気になってしまってなんてことがあります。自分がどう見られているのかを意識すること、指摘してもらうことは、とても大事なことです。そういうムダな部分を訓練で無くし、美しい形を作っていくというセンスを TAJIRI は大事にしているのです。

 

とにかく全員が全員、契約内容は異なるのだ。これは、プロであるならば当然のことだとオレは思う。それぞれがそれぞれの条件に則り、個々の事情や能力に応じた契約を会社と交わす。P228

 プロレス団体が練習生を集め、寮も用意してくれるなんて、そんな国は日本だけです。だから、現在の日本のプロレス団体には世界中から若者がやってきています。練習生からプロの選手を目指します。当然、ひとりひとり違う人間ですから、契約内容が違うのは当り前。会社員的意識のままでは上を目指せません。外国へ行くのも、所属団体を移動するのも、自分をより向上させるためなのだけど、そこの踏ん切りがつかない人が結構いるらしいのです。

 自分の身の振り方を相談してくる若手レスラーに対して、「とにかく外国へ行ってみろ」と TAJIRI は言います。知っている人が誰もいない場所、言葉が通じない場所、そういう所でしか得られない体験があるのだから、あーだこーだ言わないで行ってみろ!

いつかこの経験を、文章やトークでファンに伝えることにより、未払い分を絶対に回収してみせるP239

 30年もプロレスラーをやっていると、いろんな目に遭いました。いじめられたことも、支払いがなかったこともあります。でも、そんなことだって「ネタにしてやる!」と TAJIRI は思っています。

 今は九州プロレスにいる TAJIRI、ここでの生活がとっても幸せだと語っています。都会にいるとプロレスとは「激しい」「超絶技巧」なんてことばかり求められるけど、そうじゃない「小学生にもわかる、楽しいプロレス」っていいなぁと実感しているのだそうです。

 そうなのかぁ。九州プロレスを見てみたいなぁ。

3440冊目(今年44冊目)

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