『サーキュラーエコノミー実践』 安居昭博 25-39-3435
ピーター・バラカンさんのラジオ番組 The Lifestyle MUSEUM_vol.874 でオランダの「サーキュラーエコノミー(廃棄を出さない循環型経済)」についての話があり、興味を持ちました。
著者の安居さんはオランダでの資源再利用のシステムに興味を持ち、現在はオランダで「廃棄を出さない仕組み」を研究しています。
この本の中で様々な取り組みが紹介されているのですが、最初に登場するのがジーンズのリースです。「世の中からジーンズが捨てられる習慣をなくすこと」を経営理念にしているマッド・ジーンズでは、初年は月9.95ユーロ、2年目以降は月8.95ユーロ(修理サービス費込)でジーンズをリースしています。契約期間が終了した時点で、別のジーンズをリースする、現在契約しているジーンズを買い取るという選択もできます。ボロボロになったジーンズは繊維に戻し、再びジーンズに再生します。
ジーンズと言えばボロボロになるまで履くというイメージしかなかったので、リースというのは思いもつきませんでした。ファッションとして1シーズンしか履かない人もいるし、体形が変わってしまって履けなくなる場合もあります。一ヶ月1500円でリースできるというのは、そんなに高額なわけでもないし、こういうアイデアはありだなと思います。
ユーザーが修理できるエシカルスマートフォン「フェアフォン」というのもすごいアイデアです。修理がしやすいように接着剤を用いず、特殊な工具を用いずに手で分解・開閉ができ、ディスプレイ、メモリ、カメラなどのパーツを自分で変えられるのです。更に、使用しなくなった本体や部品は送料無料で企業に送り返すことができ、返却すると利用者にキャッシュバックされるのです。およそ10年間の使用に耐えられるように設計されているというのも素晴らしいです。
日本は元々サーキュラーエコノミーな国でした。江戸時代には紙屑や屎尿を集めて再利用していたし、金継ぎのように修理するだけでなく更に美しくする技術もあります。
ビール瓶や一升瓶はリユース前提で使われていますから、とてもエコなシステムです。それを缶やペットボトルに置き換えてしまったので、便利ではあるけれどゴミの問題が発生してしまったのです。普通ゴミに混ぜて出してしまっていたり、道端にポイ捨てされていたリするものもよく見かけます。缶やペットボトルのリサイクル率は上がっていると言われてますけど、それは絶対量が上がっただけであるような気がします。
欧米のスーパーでは果物や肉を量り売りしているのをよく見かけますけど、日本ではそういう店をほとんど見かけません。「欲しいものを必要な分だけ」という買い方ができないのは何故なのかしら。かつては、お店の人と話をしながらお茶や味噌なども量り売りで買っていたのですけど、人と人とのコミュニケーションという点でも、量り売りは復活してもらいたいと思います。
「大量生産・大量販売」の時代は終わったはずなのに、まだしがみついている人がいます。安いからと言って大量買いして、結局ゴミを増やすだけなんて、つまらないことです。欲しいものを適量買う、短期間しか使わないなら借りる。それでいいじゃないですか。サーキュラーエコノミーで身軽に生きる方が、より地球にやさしい生き方なのですから。
3435冊目(今年39冊目)
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