『山椒魚 しびれ池のカモ』 井伏鱒二 25-32-3428
先日読んだ「楽園の楽園」に「山椒魚」が登場していて、それが気になってこの本を手にしました。「山椒魚」は教科書にも載っているという作品なのだそうですが、わたしは読んだことがありませんでした。この本を選んでよかったなと思ったのは、むしろ「しびれ池のカモ」の方でした。カモと話ができる弁三さんが、まるでドリトル先生のようでビックリしてしまいました。
しびれ池のカモでは、ニセモノのカモについて行ってしまうカモのように、愚かなことをしてはいけないと言っているのでしょうか? 世間で人気があるからと言って、それを無条件に迎合してしまうことが多い今の時代の人間も、このカモたちと同じ何だなと感じました。子ども向けの話だけど、結構ブラックです。
19歳のオコマさんの純朴さがきっと気に入ったのでしょう。オコマさんへバスガイドの指南をする井川さんは、井伏鱒二さん自身がモデルなのかしら。話とは無関係ですけど、母の実家にお嫁に来たオコマさんは、この方と同年配で、とっても働き者でした。今は「オコマ」という名前は聞かなくなりましたね。
・しびれ池のカモ(1948年 毎日小学生新聞に連載)
三五郎はきっと孤児だったのでしょう。剝製づくりの名人、戸田の老先生に気に入られて弟子入りし、一緒に暮らすことになりました。先生曰く「できの悪い」剝製のカモが池に放されてしまって、本物のカモが後をついて行くようになってしまったのです。
・オコマさん(1940年 少女の友に連載)
田舎のバスの車掌さんをしていたオコマさんは、バスの運行ルート上の説明をできたらと思い、たまたま知り合いになった小説家の井川健二さんに説明文を書いて欲しいとお願いしたのです。
・山椒魚(1923年)
かつては外に出られたはずなのに、自分がいつの間にか大きくなってしまって、岩屋から出られなくなってしまった山椒魚。
・屋根の上のサワン(1929年)
漁師に撃たれてしまった雁を助けた男は、元気になった雁にサワンという名をつけて可愛がっていました。
3428冊目(今年32冊目)
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