『ゲイルズバーグの春を愛す』 ジャック・フィニイ 25-50-3446
時空を旅したいという夢を持つ人は、昔々からいたのでしょう。ですから、タイムマシンを作ってみたいという思いを持つ人もいただろうし、時空を超える扉を探す人もいたのでしょう。
昔の写真の中に、その時代にはいないはずの人を見つけてしまったり、壁に書かれた絵が変わってしまったり、同じ家に帰ってきたはずなのに、そこには違う人が待っていたリ、この本の登場人物たちは不思議な体験をします。それが何故なのかは分からないけど、自分が置かれた状況に戸迷ったり、人によっては喜んだり。それを読んでいるわたしも、自分がそうなったらどうするだろうと想像してしまいます。
タイムスリップしたり、パラレルワールドへ行ったりするのに、SFというよりノスタルジックなファンタジー感が強いのです。この本の中の時代は1963年頃。「ケネディの再選だろうな」という話題があったり、普通の家に冷蔵庫があったり、街灯はガス灯ではなく電灯になり、郊外から都心への通勤は列車で、そして長いスカートの女性はいなくなりました。
近代化が進んで生活が便利になったこの時代に、鉄道馬車やガス灯の時代を懐かしく思うのと同じように、現代のわたしは1963年を懐かしく思い、そこから更に昔の街にも郷愁を感じ、とてもステキな気持ちになるのは何故なのでしょうか。
この10篇が収められています。
・ゲイルズバーグの春を愛す
・悪の魔力
・クルーエット夫妻の家
・おい、こっちをむけ!
・もう一人の大統領候補
・独房ファンタジア
・時に境界なし
・大胆不敵な気球乗り
・コイン・コレクション
・愛の手紙
「ゲイルズバーグの春を愛す」や「愛の手紙」もステキですが、「独房ファンタジア」に何ともいえず惹かれてしまいました。
3446冊目(今年50冊目)
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