『銀座「四宝堂」文房具店 Ⅳ』 上田健次 25-59-3455
四宝堂の常連さんも、初めて訪れた人も、みんな店主の宝田硯(けん)さんの魅力に惹かれて行きます。どんな質問にも答えてくれるけど、押し付けがましい営業トークはありません。万年筆であろうが、クリップひと箱であろうが、丁寧に扱ってくれる彼の姿を見ていると、客の方も背がスッと伸びるような気持ちになるのです。
2回目に訪れた時には、必ず「〇〇さま」と名前を呼んでくれます。そうしたらもう、常連になるしかありませんよね。
この5篇が収められています。
・リボン
娘の結婚祝いを買いに来たのだけど、何を選べばいいのかわからず、店主に相談してみたらフォトフレームを薦められました。
・スクラップブック
推しのバレーボール選手の記事の切り抜きをスクラップするのが楽しみなんです。
・ボールペン
初めて配属された工事現場の工事長はラミーのボールペンを使っていて、いつか自分も使ってみたいなと思っていました。
・クリップ
経理課に配属され、それまで経験したことがないような仕事をするうちに、クリップの大事さに気づいたのです。
・奉書紙
お見合いの身上書(釣書)を四宝堂へ依頼されることがあります。その時に使用するのが奉書紙です。
今回も喫茶店「ほゝづゑ」の良子さんが時々登場しますが、硯さんとはどうなってるんだろうって、周りの人たちも心配してたんですね。やっと進展があって、わたしもホッとしました。
3455冊目(今年59冊目)
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