『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』 イ・ギホ 25-75-3471
誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
Friendly Church Guy, Kang Minho
となりの国のものがたり 4
イギ・ホ
Lee Ki Ho
斎藤真理子(さいとう まりこ)訳
亜紀書房
韓国
この本に登場する人たち、特に男たちの情けなさは何なんだろう? 真面目に働いてお金を貯めて、家族を養い、親の借金を返し、だけどパッとしない。家族から愛されていればまだいい方で、ひとりでいろんなことを背負って生きている男が哀れでならない。これまで読んできた韓国人作家の小説は、女性作家のものが多かったせいだろうか、貧乏でも、やるせないことがあっても、どこか希望があったのだけど、ここに登場する男たちはキム・スッキが言っていたように、カッコ悪い。
この7篇が収められています。
・チェ・ミジンはどこへ
・ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム
・クォン・スンチャンと善良な人々
・私を嫌悪することになるパク・チャンスへ
・ずっと前に、キム・スッキは
・誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
・ハン・ジョンヒと僕
・あとがき
「私を嫌悪することになるパク・チャンスへ」と「ずっと前に、キム・スッキは」は、同じ事件の裏と表の話で、どっちもしょうもない男と女なんだけど、お互いに依存し合っていて、でも最後にキレちゃうのは女っていうのは、何故なんだろう。
「誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ」で、イスラムに改宗してしまったユニに対して、親切だと思って助言してしまうカン・ミノの鈍感さが情けない。こういう鈍感男って「あなたのそういう所がイヤなの」と言われても、何を言われているのか分からないんだろうなぁ。
「あとがき」は、これも作品なんだけど、この話は著者自身の体験談なんだそうだけど、事故を起こした本人の認識の薄さが怖いなぁって思いました。車にドラレコがついてるなら、スイッチはオンにしておきましょうね。イ・ギホさん。
3471冊目(今年75冊目)
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