『蔦重の教え』 車浮代 25-74-3470
広告代理店の営業マン、武村竹男(タケ)さんは吉原の町で飲んだくれ、お稲荷さんに失礼なことをして怒りを買い、1780年代の吉原にタイムスリップしてしまいました。お歯黒どぶで倒れていたところを助けてくれたのは、何と蔦屋重三郎(蔦重)だったのです!!
助けてくれただけでなく、家においてやるよと言われて、ついて行った先は何と歌麿の家で、いきなり絵のモデルにされちゃうタケさん。ヒエ~と思いつつも、身寄りも何もない今、ここで世話になるしかないと腹をくくったのでした。
タケさんが未來から来たと知っているのは蔦重だけで、他の人たちには「自分は記憶喪失でなにもわからないんです」ということにしてしまいました。江戸の町での体験は、これまでの自分の常識では考えられないことばかりですが、蔦重が言うことはどれも「なるほど」と思うことばかり。自分はこれまで何もわかってなかったんだなぁと思うようになっていました。
「俺は歌麿を売り出して、『蔦屋耕書堂』の信者を作るんだ。”信者”って字はいいか、詰めて書きゃあ”儲かる”って字になるんだぜ」
「知識ではなく経験で語る」とか、「何かを捨てなければ、新しい風は入ってこない」とか、これまで誰も教えてくれなかったことを教えてくれる蔦重をメンターと考えるようになったタケさん。
助けてもらった恩を返さねばと思うけど、何ができるわけじゃないから、雑用だろうが、力仕事だろうが、言われたとおりに働くうちに、いろんな発見をしていきます。そして蔦重に言われた「おめえは何ができるのか?」という問いに頭を悩ますのでした。
ここで描かれている蔦重は、これから歌麿を売り出そうとする時期なんですけど、プロデューサーってこういうことを考えているのかという所が面白いです。そして、江戸時代の食生活もなかなか興味深いです。「べらぼう」なように見えて、実は緻密な計算をしている蔦重はやっぱり魅力的な人ですね。
3470冊目(今年74冊目)
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