『小公子』 フランシス・ホジソン・バーネット 25-61-3457
小公子
Little Lord Fauntleroy
フランシス・ホジソン・バーネット
Frances Eliza Hodgson Burnett
脇明子(わき あきこ)訳
岩波少年文庫209
英国
#岩波少年文庫100冊マラソン 5冊目
セドリックは英国人のお父さんとアメリカ人のお母さんの間に生まれました。でも、お父さんは若くして亡くなってしまいましたが、お母さんとふたりで幸せに暮らしていました。そんな彼の所に英国から弁護士の男性がやってきて、父方の祖父である侯爵が、セドリックのことを跡取りとして呼び寄せたいという話を告げたのです。
でも、アメリカ人のお母さんのことを嫌っている伯爵は、近くに住むのは構わないが、城に一緒に住むことはできないと言っているというのです。お母さんはそれを承知して、でもセドリックにはそれを言わないことを弁護士さんに伝えました。セドリックは、とても素直な心を持った子です。友達からも近所の人たちからも好かれています。そんな彼に余計な先入観を与えたくないとお母さんは考えたのです。
伯爵のお城で働く人たちも、領地で暮らす人たちも、癇癪持ちの侯爵のことが嫌いでした。だからアメリカからやってくる小さな男の子がどんなことになるのかを心配していました。でも、セドリックが初めて侯爵と対面した時、みんなも、そして伯爵も驚いたのです。この子はいきなり伯爵の心を掴んでしまったのです。
この物語を初めて読んだのは小学三年生くらいだったと思うのですが、英国へ行ってからの部分しか覚えてなくて、アメリカでの友達の話とか、大西洋を渡る話のことは、初めて読むような気持ちで読みました。ニューヨークからの船は、リヴァプールに着きます。ヨーロッパからアメリカへの移民(The long way to a new land)とは逆のコースなのだなと思ったり。
この物語が書かれたのは1886年。アメリカがイギリスから独立したのは1776年だから110年経ったとはいえ、アメリカ人の感情としては英国を余りよく思っていないようなところもあるし、貴族とか王族とか身分制度って何だろうね?って思っているところが語られていて、そんなことろも面白かったです。
セドリックという少年の魅力に、みんなが魅了されていき、気難しい伯爵の気持ちも少しずつ柔らかくなっていく。
これは、セドリックという名の天使の物語だったのですね。
3457冊目(今年61冊目)
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