『私的な書店』 チョン・ジヘ 25-106-3502

私的な書店

チョン・ジヘ

原田里美（はらだ さとみ）訳

葉々社

韓国

　ジヘさんは、子どもの頃から本が大好きでした。本に関わる仕事をしたいという思いから、最初は編集者になりました。本を企画していく仕事は楽しかったのですが、もっと読者と近い所の仕事がしたいという思いから書店員になります。実際に仕事をしてみると、書店員の仕事は1日10時間の立ち仕事、とてもハードな仕事でした。その後、自分の書店を開こうという計画を立てていたのですが、その傍ら図書館スタッフもしていました。自分の書店を開くまでの道は遠回りをしたようでいて、決して無駄な時間ではありませんでした。様々な経験をできたのですから。

　自分らしいお店をつくるために、日本の書店にも足しげく通われたというジヘさん。様々な書店から影響を受けたそうです。そして今は、逆にジヘさんのお店に影響を受ける人も増えているのでしょうね。

　ジヘさんの書店では「一対一のカウンセリング」で薦める本を選ぶというスタイルです。最初は直接お客様と会って話を伺うというパターンだけでしたが、本の紹介をライブ配信して、その本を気に入った方に通信販売するということも行うようになりました。

　本をお薦めするためのカウンセリングでは、時には人生相談のようになることもあります。想像以上に精神的負担の大きなこともあったようです。お店の場所も何度か変わりました。人も増えました。変わらないのは、読者にステキな本をお薦めしたいという気持ちです。これからもずっと、この書店を続けていって欲しいなと思います。

3502冊目（今年106冊目）