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『花野に眠る』 森谷明子25-132-3528

Hananoni

花野に眠る

秋葉図書館の四季

森谷明子(もりや あきこ)

創元推理文庫

 このシリーズは読む順番を間違えて、三作目の「星合う夜の失せもの探し」から読んでいたので、この本の冒頭に佐由留(さゆる)くんが登場してきて、そうか彼はこの町の名家である秋葉さんの孫だったということがわかりました。彼の両親が離婚しそうな状況で、ゴールデンウィーク中、家にいるのがいたたまれなく、父の実家に泊まりに来ていたのです。暇を持て余して、初めて訪れた秋葉図書館の人たちの親切さに、驚きながらも親しみを感じた佐由留くんです。

 夏になり、台風でお祖父さんの家の裏山が崩れて、そこから白骨死体が出てきて大騒ぎになりましたが、どうやら事件性はなさそうです。とはいえ、秋葉家に関係のある人ではないかと思う秋葉家のお祖父さんや、秋葉図書館の人たちは、それぞれに調査を始めました。

・第一話 穀雨(こくう)
・第二話 芒種(ぼうしゅ)
・第三話 小暑(しょうしょ)
・第四話 白露(はくろ)
・第五話 寒露(かんろ)

 戦前戦後の世の中がガラッと変わったころ、秋葉家にもいろんなことが起きていたようです。内緒にしておかなければいけないことを、上手く隠しきることは、昔の方がやりやすかったのですよね。わたしの親戚にもそういう話はあるので、その感覚はよくわかります。

 

 現代でも、都合の悪いことはいろいろと起きますけど、子どもはそういう時に無視されることが多くて、佐由留くんが両親と自分の3人での思い出が「本当に楽しかったことだったのだろうか?」と問いかけるところが、胸に刺さりました。子どもが、こういうことを吐き出せる場というのはなかなかないですから。

 様々な人の想いが集まって来る秋葉図書館、今回もいろんなことを考えさせられました。

3528冊目(今年132冊目)

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