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『神秘列車』 甘耀明 25-131-3527

Sinpiressha

神秘列車

甘耀明(かん やおみん Yao Ming Kan)

白水紀子(しろうず のりこ)訳

白水社 エクス・リブリス EXLIBRIS

台湾

変わり者の祖母はいつも「くどくどしゃべる」ので、それで「素麺」というあだ名がついてしまった。「素麺」は客家(はっか)語で「くどい」という意味がある。麺を食べる時に、ズルズル音を立てて啜るのを見たことがある人なら、この五位がどれだけ正確化実感できると思う。年齢が上がるにつれて、彼女のあだ名はただの「素麺」から「素麺姉ちゃん」、「素麺おばちゃん」に昇格し、最後は「素麺ばあちゃん」になった。P83

 おしゃべりなおばちゃんやおばあちゃんは、どこにもいるんですね。日本の素麺なら「ツルツル」という感じですけど、台湾のは具がたくさん入っていて汁にとろみがついているので「ズルズル」食べるのだそうです。こういう表現って面白いです。

 

〇神秘列車
 祖父から聞いていた謎の列車に乗りたいと思う孫の話です。国民党による白色テロによって犯罪者にされてしまい、離れ離れになってしまった祖母と祖父。「台湾の少年」と同じように、家族と引き離され、悲しい思いをした人がここにもいたのです。

〇伯公、妾を娶る
 土地の神さまを大事に思う村長は、昔通りの生活を望んでいます。でも娘は白人と結婚してしまったり、世の中の変化について行けない村長はどうしていいのか分からなくなってきます。

〇葬儀でのお話
 おばあちゃんは、おしゃべりな人でした。だから、みんなで話をすることで供養しようとしているのでしょう。
・素麵婆ちゃんの映画館
・微笑む牛
・洗面器に素麵を盛る

〇鹿を殺す
 熊の毛皮を着た漁師が鹿を売ろうとしています。アミ族の男がそれを買おうとしているのだけど、どうもお金が足りないらしいんです。

 

 ちょっと前までは林業で生きてきた人も、猟師をしていた人も、畑仕事に牛を飼っていた人もいました。でも、あっという間に人々の暮らしは変わってしまいました。だから、昔のことを思い出して話すことはとても大切なことなんです。そうしないと、何もかもがなかったことになってしまうんですから。

3527冊目(今年131冊目)

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