『ぼくらの山の学校』 八束澄子 25-136-3532
小学4年の壮太は、ある事件をきっかけにクラスの中で浮いた存在になってしまいました。学校へ行くのがイヤになって家にいても、何だか落ち着きません。ある日TV「山村留学センター」の子どもたちが楽しそうにしているのを見て、自分もあそこへ行きたいと思いました。母親にはいろいろ言われたけど説得し、1年間そこで暮らすことにしました。
山の中の小さな集落に「山村留学センター」と小学校が並んでいます。センターでは小学2年~6年の13人が共同生活をしています。ご飯を作ったり洗濯したりはやってもらえますけど、食後に食器を洗ったり、洗濯物を取り込んでたたむのは自分でやります。
遊ぶ場所には事欠きません。川で釣りもできるし、山で虫を捕まえたり、冬はそり遊びをしたり、大きい子も小さい子も一緒です。お祭りがあったり、運動会があったり、村の人たちと一緒の生活は、都会とは全然違っていて、心が楽だなと壮太は感じるようになりました。
ここにやってきた子たちは、その原因が本人の問題の場合もあるし、親の問題の場合もあります。みんな親元を離れて、寂しい気持ちを抱えているから、細かい話はしなくても、何となくこの子は寂しいんだなって感じ合っているから、時々ケンカしながらも仲良くできています。
学校の先生や親は、壮太が問題を起こしたと思い込んでいたけれど、実はそうじゃないのよね。大人たちが勝手に押し込めようとした枠からチョット外れちゃっただけ。「山村留学センター」では、自主性を重んじてくれるし、変な圧力をかけてくる人もいないところが、壮太に自分を見つめ直すゆとりをくれたんじゃないかしら。
先日、こういう学校が増えているとTVのニュース番組で取り上げられていました。それを見て思ったのですが、大人にもこういう場所ってないのかしら。
リスキリングなんかより、思考回路のリセットの方が、大事なことだとわたしは思うのです。
3532冊目(今年136冊目)
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