『坂の中のまち』 中島京子 25-162-3558
大学進学で東京へやってきた真智は、祖母の親友・志桜里さんの家に居候することになりました。「文京区小日向」という、坂だらけで文学作品によく登場するこの地が大好きな志桜里さんに、坂についていろいろと教えてもらいますが、東京に来たばっかりの彼女にとっては「?」なことが多い志桜里さんです。
・フェノロサの妻
・ 隣に座るという運命について
・ 月下氷人
・ 切支丹屋敷から出た骨
・ シスターフッドと鼠坂
・ 坂の中の町
・ エピローグ
大学で友達ができて、ボーイフレンドもできて、学生らしい毎日を過ごす真智ですが、どうもこの辺りには不思議な人(霊?)がいるみたいなのです。横光利一の「春は馬車に乗って」、江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」、遠藤周作の「沈黙」。安倍公房の「鞄」、夏目漱石の「こころ」などの話の登場人物なのかしら?
「切支丹屋敷から出た骨」の中で、「神父がくしゃみをして、夫が『さるーて』と言った」という文章が出てきて、あら、久し振りにこの言葉を聞いたわと思ったのです。英語だと「Bless You !」、スペイン語だと「Salud! サルー」、というのは教わったことがあったけど、イタリア語だと「Salute! サルーテ」なのですね。外国の言葉を習い始めた頃に覚える言葉は、どこの国でもこういうところからなのよね。
小日向にかつて住んでいた人、今住んでいる人が交錯するあたり、歴史のある場所だからこその物語なのでしょう。
実際に小日向に住んでいる中島さんですから、そういう人たちに出会ったこともあるのかもしれません。
3558冊目(今年162冊目)
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