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『蛇行する月』 桜木紫乃 25-155-3551

Dakousurutuki

蛇行する月

桜木紫乃(さくらぎ しの)

双葉文庫

 釧路の高校で図書部員だった5人が中心となる物語。ブラックな仕事場に辟易する人、勤め先の20も年上の男と駆け落ちした人。不倫相手に嫌気がさしているけれど別れられない人。仕事一筋でずっと独身の人。夫を奪われた人。音信不通になってしまった娘のことが気がかりな人。いろんな立場の女性が登場します。

 貧乏だから不幸なのかと言えば、決してそんなことはないし。ちゃんと就職できたから幸せかと問われても、そんなこともないし。要は毎日の生活の中に明るさを見出せるかどうかなのですよね。

・1984 清美
・1990 桃子
・1993 弥生
・2000 美菜恵
・2005 静江
・2009 直子

 先日、小中学校の同級生と旅行に行って、いろんな話を聞きました。

 両親と夫を見送ったという友人は、3人を送るときには冷静でいられたのに、昨年に愛犬を亡くした時は、ボロボロ泣いたし、しばらく立ち直れなかったのよって笑っていました。親の介護が理由で旅行に来られない人もいるのよねという話が出たり、定年退職してからは協力会社でお気楽に働いているよという人がいたり。ガンや心臓病や脳腫瘍からのサバイバーもいます。

 家族が誰もいなくなった同級生から、白内障手術の時の付き添いを頼まれたという話には、そういう時に頼れる人がいないのってツラいねなんて話もしました。学校を卒業して何十年も経ってから、昔より仲良くなった友達もいます。

 人と人の関りというのは不思議なものです。この物語の登場人物たちのように、思わぬきっかけで再会することで、これまで気が付かなかったことを知ったり、関係修復ができることだってあります。歳をとるというのも、悪いことばかりではないなと思えるラストでした。

3551冊目(今年155冊目)

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