『蔦屋重三郎とその時代。』 ペン編集部 編25-195-3591
大河ドラマ「べらぼう」にはフィクションの部分もありますが、基本的には史実通りに事件が起き、才能ある画家や作家が登場します。著作権という考え方がなかった当時なので、作品に対する対価は都度払いです。でも、作家が本業ではない人(武士や豊かな商人など)の場合は、ノーギャラだけど、その代りに吉原で接待してもらったりする(喜三二さんみたいにね)こともありました。
貧しい作家の場合は、飲食や住まいを提供してもらっていました。そういう風に作家たちをつなぎとめる策を考えるのが、蔦重は得意だったのです。
狂歌の連を作ったのだって、そういう仲間を増やすことによって歌を作る人が増えるし、面白い作品を本にまとめて販売することもできる。蔦重のプロヂューサーとしての手腕がこういう所にも発揮されているのです。
天下が太平だから娯楽が必要というだけでなく、飢饉などで心が荒む時だからこそ楽しいことが大切と考える蔦重の発想は、今の世にも受け継がれるべき心意気なのだと感じました。
それにしても、「大首絵」という発想はホントに凄いと思います。これぞ、推し活グッズのさきがけですよねぇ!
3591冊目(今年195冊目)
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