『アンパンマンと日本人』 柳瀬博一 25-194-3590
アンパンマンは、それまでのヒーローとは全く違うキャラです。顔がカッコいいわけじゃないし、3頭身だし、スーパーマンみたいなカッコいいヒーローとは正反対です。でも、お腹がすいた人に顔を食べさせてあげるという優しさがあります。
やなせさん自身、戦争体験の中でひもじい思いをさんざんしてきたから、この世で一番つらいのは「おなかがすく」ことだ、ということを分かっていたのでしょうね。だからこそのアンパンマンなのです。
最初にアンパンマンを見たときに、大人は「こんなカッコよくないヒーローはうけないだろう」って思ったけど、小さなこどもたちは「パッととびついた」というところが面白いですね。いつもなら落ち着きのないこどもたちがアンパンマンを見つけると、すぐに集中するのって、本能的に「これだ!」って感じるからなのかしら?
やなせさんは、元々は絵を描く方だったけど、いろんな人からオファーをもらうと、舞台美術でも、衣装デザインでも、作詞でも、シナリオでも、とにかく何でもやってしまう人だったのです。仕事の内容は高い評価をもらうけど、それで自分が無駄に目立ってしまうことはないというのも、才能だったのかなぁ。
手塚治虫のアニメ映画「千夜一夜物語」のキャラクターデザインを頼まれたというのもすごいですよね。やなせさんはこの仕事を通して、自分はキャラクターデザインが得意であるということに気付いたようです。アンパンのキャラクターはご自身で作られ、その数はなんと1768体!
困った人を助けるアンパンマンは、やなせさんの想いが詰まったすごい作品なのだということが、とてもよくわかりました。
3590冊目(今年194冊目)
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