『やさしいライオン』 やなせたかし 25-201-3597
「アンパンマンと日本人」の中で紹介されていたこの絵本を読んで強烈に感じたのは、やなせたかしという人の根本にある「正義とはなにか?」でした。
母親がいなくていつも心細くてブルブルしていたライオンのブルブルは、やさしい犬のムクムクに育てられました。初めてであった頃は小さなライオンの子だったブルブルは、大きなムクムクに守られてすくすく育ち、立派なたてがみのあるライオンになりました。
大人になったブルブルは、ムクムクと離れて暮らすようになったのだけど、どうしても会いたくなりました。
せっかくムクムクと再会できたのに、人間はライオンが外の世界を歩いていることを許しません。
ブルブルはやさしいライオンなんだけど、それを知らない人から見れば猛獣なんです。警察がやって来て撃たれてしまいました。
見た目で判断とか、世の中の常識で判断とか、そういうことに騙されちゃってる事がたくさんあるのでしょう。
外人だから、タトゥーが入ってるから、女だから、年寄りだから、こどもだから、だから何なんですか?ってことがたくさんあるんだけど、それを疑わない人がいっぱいいるから、いろんな誤解が生まれたり、差別が生まれたりする。
自分の利害の為だけに、誰かの悪口を言う人がいる。他人の手柄を自分の手柄のようにすり替える人もいる。でも、いい人みたいなフリしてるから、他人からは気づかれない。
そんな世の中で、わたしたちは生きている。
3597冊目(今年201冊目)
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