『国宝 下 花道篇』 吉田修一 25-198-3594
俊介(二代目花井半弥)と喜久雄(三代目花井半二郎)は紆余曲折を経て、それぞれの芸を磨いてきました。世間はいろんなことを言いますけど、お互いに認め合っているふたりです。
でも、俊介が父親と同じように糖尿病で倒れてから、すっかり状況が変わってしまいました。足を切らなければならないと宣告された俊介の悔しさを、我がことのように感じる喜久雄ですが、助けたくても助けられないことに苦しみます。
喜久雄の子どもたちも、様々な問題を起こしますが、そこで活躍するのがあの徳次と、大阪に来てすぐに友達になった弁天です。彼らのことは映画では描かれませんでしたけど、この人たちを主人公にしたスピンオフのドラマを見てみたいなぁなんて思いました。
万菊さんの最後は映画でも描かれてましたけど、最後にいたアパートでの「きれいなものが何もない方がせいせいする」という言葉には何だか考えさせられてしまいました。万菊さんと喜久雄は、どちらも芸に取り憑かれてしまった人だったのでしょう。それは本人にとって幸せなのか不幸なのか? それは幸せだったのだと、わたしは信じたいです。
ラストシーンは映画とは全く違っていますけど、これも映像で見たかったなぁって思います。
長い物語ですけど、面白くて面白くて、あっという間に読み終わってしまいました。
映画も小説も、どちらも名作ですねぇ。
3594冊目(今年198冊目)
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