『注文の多い料理店』 宮沢賢治 25-234-3630
宮沢賢治の作品の中で、鳥や木や鹿たちが、歌を歌ったり、踊ったり、おしゃべりしたりする場面がたくさん登場します。人間と同じように仲たがいもします。
「どんぐりと山猫」では、山の中の裁判所でどんぐりたちが、大きいのが偉いとか、頭がとがっているのが偉いとか言い争っています。どんぐりたちだけでは決められないので、一郎はこう言いました。
「よろしい、しずかにしろ。申しわたしだ。このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」
どこかの大きな国の大統領に言ってやりたいようなセリフですねぇ。つまらない言い合いをしているような愚か者が、天国へ行きたいとか、自分が一番偉いのだとか言えば言うほど馬鹿にされてるのにね。
小学生の頃から、宮沢賢治の作品はいろいろ読みましたが、やっぱり「注文の多い料理店」は楽しいですね。特に、「壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり縫ってください。」という場面が大好きです。
二人は壺のクリームを顔に塗って手に塗って、それから靴下をぬいで足に塗りました。それでもまだ残っていましたから、それは二人ともめいめいこっそり顔へ塗るふりをしながら喰べました。
二人はお腹が空いていて、この店に入ってきたんだけど、なかなか食べ物にありつけないどころか、変な注文ばかりつけられて、、空腹を我慢できずにクリームをなめちゃったのね。
ところで、あの最後のドアの向うにいたのは誰だったんだろう? 何度読んでも面白いわぁ。
・どんぐりと山猫
・狼森と笊森、盗森
・注文の多い料理店
・烏の北斗七星
・水仙月の四日
・山男の四月
・かしわばやしの夜
・月夜のでんしんばしら
・鹿踊りのはじまり
「月夜のでんしんばしら」を読んでいて思ったのは、この本が書かれた100年前に電信柱があったのは、すごいなということです。この本が発行されたのは大正13年。それと同じ年に、花巻温泉電気鉄道が開業したのだそうです。
わたしの父の故郷の北海道空知郡では、昭和の最初の頃でもランプしかなかったって話を聞いていたから、そういうことが気になるのです。
そして、賢治がお願いして書いてもらったという菊池武雄さんの挿絵がとてもすてきでした。きっと賢治の気持ちを汲み取ることができる方だったのでしょうね。
3630冊目(今年234冊目)
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