『浴室』 ジャン=フィリップ・トゥーサン 25-233-3629
主人公の男は、パートナーのエドモンドソンとパリのアパルトマンで暮らしています。ある日、服を着たまま浴室で座ってみたらなんだかいい感じなんです。試しにバスタブの中で腰かけてみると、腰かけて足を延ばせる感じがとってもいいなぁって思えて、ずっと浴室にい続けるようになりました。両親や友達からも、普通の生活に戻るようにに言われたんだけど、ここの居心地が良過ぎて、外出もしなくなってしまいました。
でもある日突然、彼女にも何も言わず、ベネチアへひとりで出かけてしまいました。観光したいとか、特に目的があるわけじゃないんだけど、フランス語が余り通じないとぼやきながら、滞在しているホテルの近くをウロウロする毎日です。
同じホテルにフランス人のカップルがいるのを見て、「あいつらはフランス人だ」と妙な意識をするところが笑えます。昔、フランス人の友人が、パリに住む人は他のフランス人とは人種が違うんだと言っていたことを思い出しました。
最終的にパリに戻って来て、また浴室で暮らし始めた主人公。あの旅行は何だったんだろう?
主人公の気分をちょっと味わいたくなって、浴槽の中でこの本を読んでみたら、意外と居心地がいいことに気づきました。でも、まる一日いるのはヤダなぁ(笑)
この小説を見つけたのは100分de名著「人間の大地」を見ていたときのこと、セットの本棚の中に「浴室」というタイトルの本が見えたのです。本の表紙がなかなかオシャレだわと印象に残っていたのです。そして次の週に行った図書館でこの本を見つけ、読んでみました。自分勝手な主人公なんだけど、イヤな感じがしないのは、なぜなんだろう?
3629冊目(今年233冊目)
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