『安西水丸 青山の空の下』 安西水丸 25-226-3622
村上春樹さんの文章と安西水丸さんの絵の組み合わせは、なんと良い組合せだったんだろうと思いながら、この本のページをめくり続けました。パッと見ただけだと、水丸さんの絵はとても単純に見えます。こんな絵ならわたしにも書けるんじゃないかと、勝手に思い込んでしまうようなところがあるのだけど、決してそんなことはないのです。
春樹さんが、知らない人に初めて会ったときに「どうして自分だとすぐにわかったのですか?」と聞くと、「ムラカミさんのお顔は、水丸さんの絵でいつも拝見してますから、くすくす」と言われることが多いのだそうです。春樹さんは、自分の顔ってあんなに単純なのかなぁ?と思ったりしたけど、なかなか納得できなかったようです。
そうなんですよ、水丸さんが書く誰かの似顔絵はどれも、「すごく似ているわけじゃないんだけど、それが誰かってことはすぐにわかる」というものなんです。これは凄いことだと思います。
そして、色遣いがとってもいいんですよね。色指定でぱきっとしたカラフルな感じもいいし。鉛筆で書いたザラザラとしたタッチのものもいいし。
色画用紙に青いインクで書いたトナカイもいいなぁ。こういう絵を書けたらいいなぁって思ってしまう絵、それが水丸さんの絵です。
3622冊目(今年226冊目)
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