『40歳だけど大人になりたい』 王谷晶 25-225-3621
ちなみに1981年生まれの40歳というのは、ビヨンセとタメである。自分の大人げなさにくじけそうになった時、私はビヨンセのニュースを探す。
~中略~
ありがとうビヨンセ。ありがとうディスティニーズチャイルド。そして今日も私は大人になりそこなう。P26
王谷さんの作品を読んでいても、彼女が話をしている映像を見ても、堂々とした人というイメージしかなかったけれど、このエッセイ集を読んでいると、いろんなことがわかってきました。世間に合わせられないことも、イケてない自分の分析も、理不尽な世の中への毒の吐き方も、余りに正直で心地いいんです。
世間が推奨することに「バカじゃないの」と思いつつも、自分の脳内の「エア世間様」に押しつぶされそうになるという表現、実に見事です。そして、「苦しんでいる人間を『正解』のふりしていじめる悪しき自己啓発コンテンツは嫌いだ。」というところには、わたしも同感だと赤べこのように首を縦に振り続けました。
かつて我々も経験してきた「進化」というやつも後悔ベースで行われているものなのかもと考えた。
~中略~
もし後悔の気持ちが進化につながるのなら、いずれ人類は滅亡するんじゃないかと思っている。
そうか、人類は後悔していないから、滅亡しないのか (笑)
王谷さんの文章はどうしてこんなに面白いのか? それは、正直だからなのでしょう。大人になるって「我慢する」とか「空気を読む」ことだって世間様は言うけれど、そんなことができない人間は永遠に大人になれないってことでしょ。それってヘンじゃない? ってね。
これをしなければ死んじゃうってこと以外の、イヤなことやムリなことはやらなくていいんだよ。
40歳になって、人生の折り返し地点だなぁって思いながらも、「こんなふうにやってくるものなのか、幼年期の終わりというのは。」って呟ける王谷さんはカッコイイ。
3621冊目(今年225冊目)
« 『涙の箱』 ハン・ガン 25-224-3620 | トップページ | 『安西水丸 青山の空の下』 安西水丸 25-226-3622 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『数学者に「終活」という解はない』 秋山仁 26-98-3857(2026.04.08)
- 『スモールワールズ』 一穂ミチ 26-68-3827(2026.03.10)
- 『サイレントシンガー』 小川洋子 26-62-3821(2026.03.04)
« 『涙の箱』 ハン・ガン 25-224-3620 | トップページ | 『安西水丸 青山の空の下』 安西水丸 25-226-3622 »




コメント