『幽冥パティスリー 煉獄堂 1』 Sanho 25-265-3661
この本の中で、「煉獄」で49日を過ごす間、亡くなった人のためにケーキを焼くという会話があって、あれっ?と思ったのです。カトリックで信じられている「煉獄」とは、死んだ人の魂が生きている間に犯した罪を洗い清めて天国に行くために一時的に留まる場所ですから。それと、仏教で死者の霊が死後49日間、現世と来世の間をさまようという考え方があるので、これが合体しているのかしらと思ったのです。
いずれにせよ、死んだ後すぐに天国へ行くのではなく、この世の悪いものを捨てて清らかになってから、あの世へ行くということなのでしょうね。その間、お腹がすくことがないようにケーキを49日分用意するとは、すてきな考え方だなと思いました。
・「推理小説のクレープケーキ」
病院で読み聞かせのボランティアをする推理小説家が出会ったのは、三つ目を持つ女性でした。小説家の作品はまだ出版されていませんでしたが、彼女はとても面白いと言ってくれたのです。
・「月見草のカップケーキ」
その娘の母は吸血鬼だから、夜にしか活動することができません。昼間の生活をする娘とすれ違い生活の母だけど、お互いのことが大好きでした。
未来が見えるという三つ目の女性、太陽の光を浴びることができない母、知らない人からは怪物と思われてしまうかもしれない人たちだけど、苦労を抱えながらも彼女たちは必死に生きてきたんです。だから、絶対に天国に行って欲しいという残された人の気持ちがケーキに託されているのでしょう。
そんなことが本当にできるとしたら、わたしもあのパティスリーへケーキをオーダーしようと思います。
#煉獄堂 #NetGalleyJP
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