『シンプルな情熱』 アニー・エルノー 25-262-3658
シンプルな情熱
Passion simple
アニー・エルノー
Annie Ernaux
堀茂樹(ほり しげき)訳
ハヤカワepi文庫
2025年 早川書房創立80周年記念フェア『ハヤカワ文庫の80冊』
フランス
2022年 ノーベル文学賞受賞者
「離婚後独身でパリに暮らす女性教師が、妻子ある若い東欧の外交官と不倫の関係になった」というこの物語は、著者の実体験をベースに書かれた物語です。子どもたちはもう成人になっているのだから、彼女はれっきとした独身女性だから、誰と付き合おうと自由なわけですが、相手が某国の外交官ということで、ふたりの関係については誰にも話したことがありません。
彼から電話があり、彼女の家へやって来て愛を交わす。ということが彼女の生活にとって最重要事項になっています。ですから、仕事から帰ってきたら、もう外出しない、休日にも最低限の外出しかしない。ひたすら彼からの電話を待っているのです。自分でも何をしているんだろうと思うこともあるけれど、どうにもならず、彼からの電話を待つのです。
彼はアラン・ドロンに少し似ていて、ブロンドの髪、趣味のいい服を着て、大きな車が好き。恋する対象としてパーフェクトです(笑)
クラシック音楽が好きだったのに、彼と出会ってからはシルビー・バルタンの曲に共感したり、新しい服を買いに行ったり、すっかり恋するモード全開になっている彼女。
この本がベストセラーとなり、賛否両論があったそうです。おおむね女性と若い男性は賛成派。否定的な意見だったのは、主にベテランの男性評論家だったそうです。でも、男性からのファンレターの中に、「自分の経験を書いてもらったようで嬉しかった」というものもあったそうです。さすが、ジュテームの国!
恋をするのに、年齢なんか関係ないし、国籍も仕事も関係ない。シンプルな情熱さえあればよいのです。
3658冊目(今年262冊目)
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