『落とした指輪を出品されて 警察沙汰になった話』 岸田奈美 25-272-3668
お母さんの誕生日プレゼントにエルメスの指輪を買おうと思った奈美さん。お母さんと話をするうちに、そうだ母娘でおそろいの指輪を買おう!と決めました。おそろいの指輪を買って、自動車に乗り込むときにお母さんの車椅子を後ろに乗せなければなりません。その時につい、お母さんの指輪が入っている紙袋を道路に置いて、そのまま置いてきてしまったのです!
急いで戻って、いくら探しても見つからないので、警察に届け出はしました。しょうがないから買い直そうかとお店に問い合わせてみたら、同じサイズはもうないとのことで、フリマサイトを探してみることにしました。
すると、同じ指輪が出品されているではないですか、お店の人が書いてくれたサイズ40と書かれたメモまでついていて、これは間違いないと確信した奈美さんです。
拾った指輪を勝手にフリマサイトに出品した犯人のことを、どうしても見つけ出したいと思った奈美さんは警察に相談をしました。警察の担当者が親切な人で、迅速に対応してくれました。
いやいや、実にスリリングな展開でした。結果としては指輪が戻ってきたから良かったとはいえ、疑問が湧くところがありました。
加害者を控訴しますか?というところで、被害者の個人情報が相手にも見えてしまうんです。たとえ示談であっても、そこは同じです。相手から逆恨みされるのが怖くて、言い出せない人がほとんどなのじゃないかしら。
他の犯罪でもそうですけど、日本の警察って被害者にとってリスクが大きいことを平気でやらせようとするのだという所がとても引っかかりました。
それにしても、最後のウッカリ姉とシッカリ弟の話はよかったですねぇ。指輪を買いに行くときに、弟さんも一緒に行っていたら、こんな事件は起きなかったのかもね。
3668冊目(今年272冊目)
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