『「普通」につけるくすり』 岸見一郎 25-253-3649
自分に自信があるというのは、 勉強ができるとか、スポーツが得意だとか、異性にもてるとか、他人より自分には優位性があると思うことなのでしょうか?
学生時代は優秀な成績だった人でも、実際に仕事をし始めてみたら、ビックリするほど何もできないかもしれません。その時に初めて自分は「普通の人」だと気づくのかもしれません。人によってはその挫折に耐えられずに仕事を辞めてしまうかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。未経験のことを始めてやって、上手くできなかったからと言って、自分がダメなわけでもないし、それをやらせた上司が悪いわけでもないんです。どんなことでも、いきなりできるなんてことはないんです。それが普通です。
「馬鹿につける薬はない」という言葉がありますが、「普通につける薬」というのはあるのでしょうか?
どうして、自分は特別だ、自分は優秀だって思いたいのでしょうか?
「普通」って恥ずかしいことなのでしょうか? そんなわけないですよね。
なのに、どうしてそんなに自分は特別だ!って思いたがるのでしょう? 他人と比較したがる自分になったのは、何故なのでしょう?
かつての自分と比べることがブレーキになる
他人と比較する必要なんかないのと同じように、過去の自分と今の自分を比較する必要だってないんです。若い頃は出来たけど、歳をとってできなくなることはたくさんあります。だからって、いちいちガッカリする必要なんかないんです。逆に、若い頃は出来なかったのに今できるってことだってあるでしょ! だからそういうことを増やすためにも、「やったことがないからやってみる」って大切なんだと思います。
人は人、わたしはわたし、わたしの普通と誰かの普通は違っている、だから面白い。そう思ったら、ちょっと肩の荷が下りたような気がします。
3649冊目(今年253冊目)
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