『ただいま装幀中』 クラフト・エヴィング商會 25-245-3641
ちくまプリマ-新書の装幀はすべてクラフト・エヴィング商會の吉田浩美さんと吉田篤弘が担当しています。ついに500冊目となったこの本は、このおふたりの対談と、これまでのカバー・デザインの中から選んだ128冊が収められています。
普通の新書は、どの本も同じデザインで作られているのですが、ちくまプリマー新書は一冊ずつ違うデザインなのです。そのデザインをどう作り上げていくのかというお話も、おふたりがどうして装幀の仕事をするようになったのかというお話も、まるで夫婦漫才のように面白い対談なのです。昔々の超アナログなデザイン手法のお話はとても興味深いです。
本の装幀は、本の内容を読んでからデザインするのだろうと素人は考えてしまいますが、どうやら、そうではないことも多いらしいのです。編集者や本の著者とお話をした感じとか、時にはタイトルからとか、という場合もあるのだそうです。そして、そうやって出来上がったものが、意外といい事が多いのだそうです。
デザインで迷った時、あっちにしようか、こっちにしようか、と悩んだ末、結局最初の案が一番いいということも多いけど、あれこれ悩むこともまた楽しいと思っているところが、クラフト・エヴィング商會の良さなのだろうなと感じました。
最後の章で、この本の装幀をどのように作り上げてきたのかの話があるのですが、こういう事ってなかなか知ることができないから、とっても面白かったです。この部分を読んでから表紙を見直すと、なぁるほど!と思いました。そういうところも楽しい本でした。
また、読みたい本が増えました。
・「物語のあるところ」
・「物語の役割」
・「悪いことはなぜ楽しいのか」
・「体育がきらい」
・「読み上手 書き上手」
3641冊目(今年245冊目)
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