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『DUCKS 仕事って何? お金? やりがい?』 ケイト・ビートン 25-301-3697

Ducks

DUCKS

仕事って何? お金? やりがい?

ケイト・ビートン
Kate Beaton

椎名ゆかり(しいな ゆかり)訳

インターブックス

カナダ 2022

SISTER “FOOT” EMPATHY で紹介されていた本

 ケイトは大学を卒業しました。でも、地元のケープ・ブレトン島(カナダ東岸、赤毛のアンで有名なプリンス・エドワード等の近く)での就職は到底ムリです。そこで選んだのは、カナダ西部アルバータ州のオイルサンド採掘現場で働くことでした。ここで2年頑張れば学生ローンの借金が返せるというモチベーションだけで、全く知らない土地で働くことになりました。

 彼女は用具係に配属されました。夜勤もあって寝不足の日もあるけれど、仕事自体は少しずつ慣れました。でも、どうにも慣れないのが男ばかりの採掘現場にいる数少ない女であるという事です。新人の女の子が来たというだけで、彼女を一目見るために事務所の周りに男たちが列を成しているのには呆れてしまいます。やたらと声を掛けてくる男がいたり、セクハラは当り前。それをどうやってかいくぐっていけばいいのかが、最大の問題です。

 そして、ここに来るまではオイルサンド(石油成分を含む砂岩)の採掘が、環境にどんな問題を与えているかなんて考えたこともありませんでした。ここから発生している環境破壊で貯水池に飛来したカモが大量に死んだことを知って、ここがとても危険な場所であるという事を知り、ケイトはそれを題材にマンガを描き始めます。

 

・オバマ元米大統領2022年お気に入りの本!
・コミックス界のアカデミー賞「アイズナー賞」2023年2部門受賞!

 アメリカやカナダではとても有名なこの作品ですが、日本では余り知られていない作品です。わたしは、ブレイディみかこさんの SISTER “FOOT” EMPATHY で知りました。著者ケイト・ビートンの自叙伝的作品なのだそうです。

 ケイトはここでの仕事を辞めて故郷へ戻ることができました。でも、ここで働き続ける選択肢しかない人が大勢いるのは間違いありません。

 貧しい地域から出稼ぎへ行くという構造は世界中にあって、危険な仕事、人がやりたがらない仕事を、この本に登場するような人たちが担っているのです。家族と離れて孤独な労働者たちが、薬物依存に陥ったり、鬱になったり、癌になったり、事故で大怪我をしたり、時には亡くなったり。そんな毎日が淡々と描かれているこの作品を、日本でももっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

・ケープ・ブレトン島
・シンクルード社 ミルドレッド・レイク(基礎露天掘プロジェクト)
・シンクルード社 オーロラ
・ロングレイク OPTI-ネクセン社
・ビクトリアでの1年
・シェル社 アルビアン・サンズ

3697冊目(今年301冊目)

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