『キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン』 長月天音 25-293-3689
かなめさんは飲食の仕事をしたくて株式会社オオイヌに就職しました。最初はレストラン「シリウス」勤務で楽しかったのですけど、部署が移動となり、現在は製菓部所属です。といってもお菓子を作っているのではなく、いわゆる労務管理で、自分は何のためにこの仕事をしてるんだろうって、ぼやいてばかりの毎日です。
本社から、売上を増やすためにデザートを強化するという案が上がって、本社で打ち合わせをするかなめさん。そこでの話はとても楽しいのだけど、これを製菓部に持って帰って上司に報告するのは気が重いんです。だって、上司から「本社で言われたとおりにすればいいんだろ」って言われるだけなのが、わかっているんですもの。
そんな不満を誰にも言えずにいたんです。だから本社のつぐみさんに、始めてその思いを伝えたとき、「ああ、やっとわかってくれる人がいた」と安堵したんです。そして、そんなかなめさんを励ますために、つぐみさんは彼女を「キッチン常夜灯」へ連れて行ってくれました。そこで出される料理のおいしさと、お店の人の優しさは、心が弱っていたかなめさんには、なによりの薬でした。
・プロローグ
・飴色のタルトタタン希望の輝き
・勇気と挑戦のブーダンノワール
・鯛の塩包み焼き始まりの春の香り
・満ち足りた夜にパテ・アンクルート
・頑張った私へシェフの特製ブイヤベース
・エピローグ
上司とうまくやっていけないし、工場のパートさんとの距離感も難しいし、かなめさんにとって、初めての事ばかりですけど、どんなことだって、大事な経験です。ひとりで悩むより、誰かに相談すること、それが一番だってことがわかったかなめさんは、これからドンドンやりたいことが増えるのでしょうね。
3689冊目(今年293冊目)
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