『雪女 夏の日の夢』 ラフカディオ・ハーン 25-279-3675
この本には「耳なし芳一の話」や「雪女」など12編の不思議な物語と、初めて訪れた日本の印象を綴った「東洋の土をふんだ日」など、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が愛した日本についての4編のエッセイが収められています。
不思議な話や怖い話は、子どもの頃に読んだり聞いたりしたものもあったし、知らないものもありました。いずれの話も、西洋の怖い話とは違う、ゾワゾワという感じの怖さを感じました。
でも、この本が素晴らしいのは、エッセイの部分だとわたしは思います。
「東洋の土をふんだ日」のワクワクした感じがとても印象的です。これまで想像したこともないような風景や建物や、人々の真面目さが、どれをとってもハーンの胸を震わせているのです。
くるまやさん(人力車)にあちこちを案内してもらいます。言葉は通じなくても身振り手振りで説明してもらって、そのすべてが神秘的、魅惑的、どうしようもなく興奮している気持ちが伝わってきます。建物の屋根のデザインや欄間の飾りや、畳の肌触りに心を奪われています。箸袋や、てぬぐいの柄の美しさに驚き、買った品物を縛ってくれた紐までもが美しい、あれもこれも安いから全部欲しいけど、そんなことをしたら破産してしまう! でも、日本全部が欲しい!というくらい、日本にほれ込んでしまったのです。
外国人用に用意されたホテルが気に入らず、小さな旅館に滞在しています。お風呂に入り、浴衣を着て、盆踊りを見て、またまた嬉しくなってしまうのです。
この時点でハーンは日本に永住することが運命づけられてしまったのかもしれません。すてきな、すてきなエッセイでした。
このシーンが、朝ドラ「ばけばけ」でもあったらいいなぁ。
3675冊目(今年279冊目)
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