『ぼくは刑事です』 小野寺史宜 25-281-3677
律は31歳、職業は刑事です。仕事柄急に呼び出されることもあって、昔つき合っていた彼女とはすれ違うことばかりで別れてしまいました。今付き合っている澄音は、5歳の海音という娘と暮らしているシングルマザー、彼女ともなかなか会えないけれど、でも、結婚したいなと思っています。
律は上司に結婚をしたい人がいると報告をしました。警察に勤める人の場合、結婚相手についての調査が入るからなのです。
刑事だから、他の仕事とはかなり違う働き方をしているけれど、でも仕事以外の部分は普通の人と同じはずです。でも、そうもいかないことが色々とあります。何か予定があってその日はオフにしていたとしても、急に事件が入って呼び出されてしまうこともあります。だから、仕事が終わった~!と思ってもノンアル飲料を選んでしまうのが律なのです。
小野寺さんの淡々とした語り口で進むこの物語を読んでいて、何とも言えない悔しさというか、理屈ではそうだけど感情としては納得できないことが世の中にはあるのだなと思います。犯罪を起こしてしまって、その罪をちゃんと償った人でも、警察で働く人の家族であってはいけないというのは、どこか理不尽な気がするのです。でも、そういう規則がある以上、どうしてもその人と結婚したいから警察を辞めるという決断をしなければならない人もいるのでしょうね。
律は最終的には、それもあるかもしれないと思ってますけど、そこまでして欲しくないという彼女の気持ちも分かるなぁ。
やっぱり小野寺さんは人を描くのが上手いなぁと思います。理屈ではそうだけど、それだけではないんだよって思うのが人間なんです。自分の幸せってどこにあるんだろう?と悩んだ律の結論はステキだなと思いました。誰かを愛するって、一番大切なことですから。
3677冊目(今年281冊目)
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