『ギンガムチェックと塩漬けライム』 鴻巣友季子 25-276-3672
この本の著者・鴻巣さんは、子どもの頃から外国文学が大好きだったそうで、「あしながおじさん」や「若草物語」などを読んだ頃の思い出を綴る文章は、わたし自身の小中学校時代の思い出とも重なりました。
外国の話だからよく分からないという人に、「分からないからおもしろいのに」と意義を唱えているところに、とても共感しました。「グレービーソース」「バタつきパン」「こけももジャム」なんて、小学生だったわたしには想像もできないものだったけど、大人になってから実物を見て、「これだったのか!」と思うことがいろいろありました。
女性の服装で登場する「マフ」とか、「食卓の引出しからパンを取り出し、切り分けたら残りを引出しにしまう」なんてのも、ピンとこなかったなぁ。でも、そういう「何だろう?」って思うことって大事だと思うんです。
この本の内容は、ラジオ英語会話のテキストに連載されていたものなので、英語の単語の使い方とか、アクセントの話などもよく出てくるのですが、そこで明らかになる階級や地域性の知識があるとないとでは、同じ小説を読んでも全く違うものになるんだなぁと、とても勉強になりました。
映画「マイ・フェア・レディ」の原作である「ピグマリオン」の文章がとても興味深かったです。主人公のイライザの苗字が「Doolittle」だというのにはビックリ、ドリトル先生と同じじゃないですか! そして、中島京子さんの「イトウの恋」が紹介されていたのはとっても嬉しかったです。
『第六章 未来の予言』の「一九八四年」「侍女の物語」「誓願」「クララとお日さま」は、いずれも読んだことがある本なので、「だよね、怖いよね」と頷きながら読みました。
そして「アッシャー家の崩壊」で、エドガー・アラン・ポーの文章は何故怖いのかという解説をされているのですが、これを踏まえてもう一度読んでみたいなと思いました。
これまで考えたことがなかった方向での海外文学作品の面白さを教えていただき、とっても幸せです。
3672冊目(今年276冊目)
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