『キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ』 長月天音 25-274-3670
つぐみさんはレストランチェーン株式会社オオイヌの本社営業部に勤めています。この会社はワンマン社長の会社で、「女性活躍」という目標のために、支店の店長に大勢の女性を抜擢しました。つぐみさんが営業部に配属されたのもその一環です。そのかわりベテランの男性社員が大勢本社勤務になっています。そのせいか、やる気がないように見える人もいます。
つぐみさんは本社勤務、彼氏は支店勤務で、どちらも忙しくて、最近はデートすらしていません。彼から毎日来ていたメールが来ない日もあったりして、ただでさえ仕事で疲れているのに、ため息ばかりが出る最近です。
つぐみさんは、同期のみもざさん(キッチン常夜灯の主人公)にキッチン常夜灯へ連れてきてもらいました。ここで、つぐみさんはいろんな意味で救われました。忙しさにかまけて食事を楽しむことさえ忘れていたし、誰かと本音で話すこともできていなかったことが、自分を追い詰めて来ていたと気づきました。仲の良い友達との会話を楽しみながら、おいしいものを食べることは、心の栄養にもなったのです。
・プロローグ
・寂しい夜の肉料理仔羊のロースト
・仲直りのピサラディエール
・真夜中のクロックムッシュ
・秋の夜長の煮込み料理
・特別な夜に仔牛のブランケット
・エピローグ
会社の業種とか規模とかで就職を決めることが多いと思いますけど、最初に配属される部署や上司って、その後の自分の基礎となるところだから、この時点での当たり外れって大きいなと思います。つぐみさんは最初に良い上司の下で働くことができたから、配属が変わっても頑張って働くことができたのだと思います。だからこそ、あのクレームを出してしまった店長の下で働いていた人たちが可愛そうです。
組織の中で働くって難しいですよね。ある仕事をしているだけではダメな人に見えていたのに、別の仕事では別人のようにイキイキとしていたり、一緒に働く人の組み合わせによって上手くいったり、いかなかったり。
仕事も恋愛も、つぐみさんなら上手くやって行けそうです。だって、彼女の周りには良い人が集まっているのですから。
3670冊目(今年274冊目)
« 映画『ブライアン・エプスタイン』@TOHOシネマズ シャンテ | トップページ | 『世界はラテン語でできている』 ラテン語さん 25-275-3671 »
「日本の作家 か行」カテゴリの記事
- 『開墾地』 グレゴリー・ケズナジャット 25-306-3702(2025.11.04)
- 『おれの細道 江戸東京狭隘路地探索』 黒田涼 25-288-3684(2025.10.17)
- 『ギンガムチェックと塩漬けライム』 鴻巣友季子 25-276-3672(2025.10.05)
- 『キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ』 長月天音 25-274-3670(2025.10.03)
« 映画『ブライアン・エプスタイン』@TOHOシネマズ シャンテ | トップページ | 『世界はラテン語でできている』 ラテン語さん 25-275-3671 »




コメント