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  • ダメでもいいからやれ。
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    (by 本田宗一郎)

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『トラジェクトリー』 グレゴリー・ケズナジャット 25-321-3717

Trajectory

トラジェクトリー
Reajectory

グレゴリー・ケズナジャット
Gregory Khezrnejat

文藝春秋

 「トラジェクトリー」の主人公ブランドンは、名古屋で英会話学校の講師をしています。アメリカの大学を卒業後、1年以上日本で働くことを条件に、この学校へやってきました。ほとんどの生徒は、TOEICの点を上げたいとか、映画を字幕なしで見られるようにしたいとか、それぞれの目標を持っています。でも、そうではない生徒もいます。グループレッスンなのに、自分が興味がある事しか話さない生徒に、少し困ったなという気持ちも持ちながら、でも授業料をちゃんと払ってくれているのだから、邪険にもできないなという気持ちで接しています。

 トラジェクトリー(trajectory)という言葉は、「進路」「方向性」「軌跡」を意味しています。ブランドンは、この仕事を嫌いなわけではないけれど、いつまでも続けるような仕事でもないと感じています。でも、特別に何がしたいという目標があるわけでもなく、どこか宙ぶらりんな感じがしています。

 

 「汽水」の主人公チャーリーは、日本の大学で働いています。留学に関するコンベンションのために、出張でニューオーリンズへやってきました。故郷から比較的近い場所だけれど、この地へやってくるのは初めてです。ここで出会ったアイルランド人から、ラフカディオ・ハーンがここに住んでいだことがあり、当時彼が書いた文章によって、ニューオーリンズの魅力が全米で知られるようになったという話を聞いたのです。そして、彼はこうも言うのです。 「日本に流れて来た自分たちは、ハーンみたいだよね」

 

 今とは違って円高だった頃、英会話学校はたくさんありました。わたしも1年位通っていたことがあります。年齢も職業もバラバラな、いろんな人とクラスメートになりました。少人数でのグループレッスン時の、忘れられない出来事があります。

 「What のよう単語を見ると、みなさん「ワ」から発音しようとしているでしょ。そうではなくて、前に”ゥ”を付けて”ゥワ”と発音をしてください」と先生は説明しました。でも、なかなかうまく発音できない生徒がいます。「最初の”ゥ”はね、キスするときの口をするんだよ。」という説明に、「先生、ぼくキスしたことがないんです」という答え。更にもう1人が「わたしもです」と言ったんです。2人とも20代後半の会社員でした。アメリカ人の先生は「チュッって、ママにキスする感じだよ」と食い下がったのですが、「日本にはそんな習慣はありません!」と反撃され、「じゃぁ、Wの発音は無理だね」ってガッカリしていました。

3717冊目(今年321冊目)

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