『魔法のつららペン』 山崎ナオコーラ 25-315-3711
この物語の主人公、小学4年生の山村ゆきのさんは、文字を書くことに問題がある学習障害「書字障害」を抱えています。文字を読むことや、キーボードから入力することは普通にできるのですが、手書きで文字を書こうとすると、上手く書けないのです。たとえば「る」という字を書こうとすると、最後の丸めるところが上手く書けなかったりします。だから、文字を書くのにとても時間がかかってしまって、授業中に先生が黒板に書いたものをメモしようとしても、それができないんです。
先生はそれをわかっていて、「ゆきのさんはタブレットのカメラで黒板に書いてあることを写真にとってもいいよ」と言ってくれるのですが、自分だけ特別扱いされているようで、彼女はためらってしまいます。でも、いくらがんばってもメモが上手く書けないので、家への連絡事項などを忘れてしまいがちなんです。
ゆきのさんは、雪の日に拾った不思議なペンのおかげで、自分のコンプレックスについて前向きに考え直すことができたけど、世界中にいる同じような障害を持った人は、どうしているのかな?
文字の認識に問題がある「ディスレクシア dyslexia」という障害があることは知っていましたが、文字を書くことに特化された問題「ディスグラフィア dysgraphia」というものがあるという事を、初めて知りました。
これが原因で、学校の授業についていけない子がいるなんて、想像もつきませんでした。きっとわたしの同級生にもいたんだろうなぁと思います。PCやタブレットで文字入力ができる時代になって、少しは状況が改善されてきたのかな?
この本を読んでいて、昔の仕事先での出来事を思い出しました。お客様にPCの操作方法を説明していたときです。この手順をメモしておいてくださいねと伝えたら、「わたしメモが取れないのよ、あなたそれを書いてくれない?」と言われたんです。えっとは思ったけど、手順を紙に書いてお渡ししました。その次にお会いした時に、どうでしたか?と確認したら。「紙に書いてある通りにやったらできたわ」と言われたんです。もしかしたら、あの方もディスグラフィアだったのかなぁ?
他の人ができることで、自分だけできないことって、とっても気になるし、相談してみても、練習すればたいていのことはできるって、親や先生は言います。だけど、この話のように、どうにもならないことってあるんですよね。それをわかってくれる人、それを説明してくれる人の存在がとても大事なのですね。
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