ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『青い眼がほしい』 トニ・モリスン 25-311-3707 | トップページ | 『黄色いポストの郵便配達』 斉藤洋、森田みちよ 25-313-3709 »

『クローバー』 ナ・ヘリム 25-312-3708

Kurober

クローバー

ナ・ヘリム

キム・キョンスク 訳

講談社

韓国 2022

NetGallyJP

 ジョンインはおばあちゃんと暮らしている。ハッキリ言って貧乏だ。おばあちゃんは古紙回収を一生懸命にやってるけど、大したお金にはならない。ジョンインは中学生だから本当はバイトしちゃいけないんだけど、ハンバーガー店で週3日バイトをしていて、時々、廃棄処分になったハンバーガーを内緒で持って帰って食べている。道を歩いていて段ボールや古紙を見つけると思わず拾っちゃう。

 済州島へ行く修学旅行がもうすぐあるんだけど、35万4,260ウォン(日本円だと3万5千円くらい)なんてとてもじゃないけど出せないから、たぶん行けない。クラスの中で行けないのは自分だけだと思う。

 

 ゴミ捨て場で不思議な黒猫に出会った。そいつが、何でも夢をかなえてやるって言うんだ。ジョンインは気づいていなかったけど、この黒猫は実は休暇中の悪魔ヘレルだった。

 おいしいものが食べられるよ。どこへでも行けるよ。何でも好きなものが手に入るよ。って、奴はジョンインの魂が欲しいから、いろんな手を使って「欲」に気づかせようとしてくる。でも、ジョンインは欲しいものなんて想像もできなかったんだ。だって、欲しくったって手に入らないのが当たり前の生活をずっとしていたから。

 

 わたしの伯父さんは貧しい家庭の子でした。それは昭和10年頃でしたが、彼も修学旅行に行きたいけど家にお金がないことはわかっていたそうです。そこで、新聞配達をしてお金を工面したのです。そのお金を親に預けて置いたら、生活費に使われてしまって、結局旅行に行けなかったことがとても悔しかったそうです。その時にできたシモヤケの跡が手に残っていて、大人になってからは、それを見る度に、あれより辛いことはないと思って頑張ってきたという話をしてもらったことがありました。

 韓国だけでなく、世界中どこへ行っても貧困問題は深刻です。食糧援助をしてくれる組織はあるけれど、それだけでは足りないから、子どもだってお金を稼がなくちゃ生きていけない。でも、大したお金にはならない。その繰り返し。

 なぜ貧困が無くならないのでしょう? 個人の努力だけではどうにもならない不合理なことが、世の中にたくさんあるからだと思えてしょうがないのです。

#クローバー #NetGalleyJP

3708冊目(今年312冊目)

« 『青い眼がほしい』 トニ・モリスン 25-311-3707 | トップページ | 『黄色いポストの郵便配達』 斉藤洋、森田みちよ 25-313-3709 »

海外 小説」カテゴリの記事

NetGalleyJP」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『青い眼がほしい』 トニ・モリスン 25-311-3707 | トップページ | 『黄色いポストの郵便配達』 斉藤洋、森田みちよ 25-313-3709 »