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『パリのすてきなおじさん』 金井真紀、広岡裕児 25-360-3756

Parissutekinaoji

パリのすてきなおじさん

金井真紀 文と絵

広岡裕児 案内

柏書房

一万円選書 の中の一冊

 真紀さんが「パリでおじさんをあつめよう」と企画を出したら出版社からOKが出て、パリ在住の広岡裕児さんに案内をお願いし、取材を始めます。最初の方は、広岡さんのお友達もいたのですが、真紀が持つ「あのおじさんにインタビューしたい!の熱意はすばらしく、気がついたらパリの町でイケオジをナンパしていた! という流れになったのだそうです。

 

 最初の頃は様々な仕事をしているおじさんという切り口だったのですが、段々と様々な国からパリへやってきた人が多いという事に気づき始めます。特に多いのが、フランスの旧植民地であるアフリカ(アルジェリア、西アフリカ、マダガスカルなど)や インドシナ(ベトナム、カンボジア、ラオス)などから出稼ぎや難民としてやってきた人たちです。旧植民地ですからフランス語が話せるという事でやってきた人もいるし、本当は家族がいるイギリスへ行きたいのだけど、渡航許可が出ないという人もいました。

 

1939年のフランスの人口は4200万人。うちユダヤ人が32万5千人いました。ほとんどはパリに。このマレ地区にもユダヤ人が大勢住んでいました。32万5千人のユダヤ人のうち、8万2千人がショアで殺されました。(フランスではホロコーストのことをショアと呼ぶのが一般的だそうです)

 そして、ここでも登場するのがナチスに殺されたユダヤ人のことです。パリもドイツに占領され、ここに住むユダヤ人は収容所へ送られ亡くなっています。家族の中でただ一人だけフランス国籍を持っていたことと、多くの人たちの助けによって生きのびることができたロベールさんの話はとてもつらいのです。

 

 いろんなおじさんの話を聞いていると、それぞれの人生が見えてきます。サッカー好きな人も、出稼ぎを続ける人も、ゲイの人も、難民の人も、アーティストも、オタクな人も、本屋さんのおじさんも、みんなそれぞれの人生を生きています。

 

 こんなにもステキなインタビューをしてくれたお2人に感謝です。

3756冊目(今年360冊目)

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